慰謝料請求をされたときは、やはり「専門家である弁護士に頼もう」と思うのではないでしょうか。ただ、弁護士に問題の解決を依頼する場合、多くの方は費用を気にします。弁護士にお願いするとどのくらいお金がかかるのでしょうか。
fa-arrow-circle-rightこの記事の内容
- ・慰謝料請求されたときの弁護士費用相場
- ・弁護士費用の内訳
- ・弁護士費用が高くなるケース
- ・弁護士費用をおさえるためのコツ
- ・弁護士に依頼するときに注意したいこと
以上の5つのポイントについて解説します。この記事を読めば慰謝料請求されてときの弁護士費用について理解できます。困っている方は参考にしてください。
慰謝料請求されたときの弁護士費用相場
慰謝料請求されたときの弁護士費用の相場は30~60万円ほどです。慰謝料を減額できた場合は、一般的に減額できた金額の10%ほどが上乗せされます。
ただし、弁護士費用は案件の難度や事務所によって違ってくるため、必ず費用相場通りの金額になるわけではありません。弁護士費用の相場はあくまで目安だと考えてください。ケースごとに事情や内容が違っているわけですから、弁護士費用もケースバイケースです。
案件を依頼する際は見積もりの取得や弁護士への確認をおすすめします。
弁護士費用の内訳
慰謝料を請求されたときの弁護士費用の総額は、次の内訳の合計額になります。
- 弁護士への相談料
- 着手金
- 成功報酬
- 実費
- 日当
1.弁護士への相談料
弁護士に依頼する前に相談する際にかかる費用です。一般的に30分5,000円など、時間単位で費用が発生します。ただ、弁護士に相談と同時に案件の依頼を行えば、相談料を請求されないケースもあります。あくまで相談だけした際に発生する費用です。
相談料は事務所によって金額が異なります。相場は30分5,000円ほどだと言われていますが、これより高い金額を設定している事務所もあれば、低い額で相談を受けている事務所もあります。「初回30分相談無料」など、無料相談を行っている弁護士もいるため、確認が必要です。
2.着手金
弁護士に依頼をする際は着手金が発生します。不動産を買うときの頭金のような費用だと考えれば分かりやすいかもしれません。着手金は依頼に着手することに対する費用なので、依頼をキャンセルしても基本的に戻ってきません。また、依頼内容の成否に関わらず発生する費用です。
着手金の相場は案件により異なります。たとえば、離婚などの場合は一般的に20~30万円が相場だと言われています。ですが、弁護士が行うべきことの多さや案件の難度によって変わってくるため、あくまで参考程度に捉えた方が良いでしょう。難度の高い案件の場合や弁護士が行うべきことが多い案件は相場以上の金額になることも珍しくありません。
3.成功報酬
成功報酬は案件が成功した場合に発生する費用です。
たとえば慰謝料を請求されて「減額したい」という依頼だったとします。このようなケースでは慰謝料減額に成功した場合に成功報酬が発生します。弁護士に依頼しても慰謝料減額など経済的な利益が出なかった場合、つまり成功しなかった場合は原則的に請求されません。
弁護士の成功報酬には2つのパターンがあります。
- 〇%
- 固定
弁護士事務所によって成功報酬が固定になっている場合と、減額できた慰謝料(経済的利益)に対して〇%と定めている場合があります。
4.実費
慰謝料の案件にかかった実費が請求されます。
実費とはコピー代や交通費、切手代などです。
5.日当
弁護士が事務所以外で仕事をするときにかかる費用が日当です。日当の費用相場は1~2万円になっています。
日当については請求する事務所としない事務所があります。
日当の要不要については依頼を検討している先に確認しておきましょう。
弁護士費用が高くなるケース
慰謝料を請求されたときに弁護士費用が高くなる可能性があるのは次のようなケースです。
- 案件の難度が高いケース
- 遠方から依頼するケース
- 依頼内容に複数の目的が含まれるケース など
案件の難易度が高いケースでは弁護士費用が高くなりがちです。また、遠方から弁護士に依頼したケースでは実費などの関係で弁護士費用が高くなる傾向にあります。
弁護士への依頼に複数の目的が含まれているケースも費用が高額になりがちです。
慰謝料の請求をされたので減額して欲しい。慰謝料を請求されたので減額して欲しい、また、離婚を成立させて欲しい。このようなケースでは後者の方が弁護士に達成して欲しい目的が多いため、費用が高くなる可能性があります。
弁護士費用をおさえるためのコツ
弁護士費用をおさえたいときは4つのコツがあります。
慰謝料を請求されたら早めに相談する
慰謝料の請求を放置して話がこじれてしまうと解決が難しく費用が高くなってしまうかもしれません。スムーズに解決するためにも、慰謝料を請求されたら早期に弁護士へ相談することが重要です。
依頼前に弁護士費用について確認しておく
弁護士費用は同じ案件でも事務所によって異なります。依頼前に相談先の弁護士に確認しておくことがポイントです。また、費用倒れを防ぐためにも、弁護士に費用相場や慰謝料減額の可能性なども確認しておくと良いでしょう。
浮気や不倫に強い弁護士に依頼する
慰謝料を減額できれば総合的な費用負担が軽くなります。だからこそ、浮気や不倫に強く慰謝料の対応に慣れている弁護士に依頼することが重要です。弁護士にも得意分野がありますので、費用負担を総合的に軽くしたいなら、その分野を得意としている弁護士に依頼すると良いでしょう。
依頼の際は実費をおさえるよう工夫する
遠方の弁護士に依頼すると交通費などの実費によって弁護士費用が高くなる可能性があります。案件にもよりますが、近くの弁護士に依頼して実費をおさえるという方法もあります。
弁護士に依頼するときに注意したいこと
弁護士に依頼する際に注意したいポイントは費用倒れです。
たとえば、10万円の慰謝料を請求されて、弁護士に依頼したら30万円かかったとします。慰謝料の減額に成功しても、弁護士費用が30万円ではマイナスが大きいと言えるでしょう。仮に慰謝料の支払いをしなくてよくなったとしても、弁護士費用を考えるとマイナスです。
慰謝料の請求をされると動揺もあるでしょうが、「マイナスをおさえたい」という気持ちもあるはずです。弁護士費用のマイナスとプラスのバランスには注意が必要になります。
また、弁護士に依頼する際は自分にとって不利なことも話す、嘘をつかないことが重要です。不利なことを隠したり嘘をついたりすると、話がこじれてしまう可能性があります。話がこじれて解決が難しくなると、費用面でもデメリットです。
隠し事をしない。不利なことも話す。嘘をつかない。費用だけでなく、慰謝料問題解決のためにも注意したいポイントです。
まとめ|弁護士費用の相場は案件により異なるので確認を
弁護士費用の相場はケースにより異なります。そのため、費用について知りたいなら弁護士に尋ねるのが早道です。
依頼後に「弁護士費用の方が慰謝料額より多かった」と困らないように、事前に確認しておくことをおすすめします。依頼時に「慰謝料減額の可能性があるのか」「慰謝料を払う必要があるのか」についても確認しておきましょう。
この他に、話がこじれて解決が難しくなる前に弁護士へ相談することや、実費について考えて依頼する弁護士を検討することなども重要です。